特集 耳鼻咽喉科領域の発達変化と加齢変化
耳鼻咽喉科疾患の診断と治療
発達・成長に伴う疾患 平衡障害
木村 優介
1,2
,
加我 君孝
1
Yusuke Kimura
1,2
,
Kimitaka Kaga
1
1国立病院機構東京医療センター・感覚器センター
2日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
キーワード:
発達変化
,
小児
,
平衡障害
,
良性発作性めまい症
Keyword:
発達変化
,
小児
,
平衡障害
,
良性発作性めまい症
pp.1459-1462
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000880
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はじめに―小児の姿勢・運動機能の発達―
乳児期初期(生後1~6カ月)の発達において獲得される能力は,主に頭部コントロール機能,寝返り動作,上肢コントロール機能の獲得である。乳児期後期(7~12カ月)の時期は,歩行獲得を前に,背臥位,腹臥位ともに抗重力筋が発達し,体幹と四肢が分離した運動が可能となってくる。幼児期(1~3歳)は,身体の発育(身長・体重・筋や脂肪量),神経系の成熟(軸索の髄鞘化や神経回路網の増加),人的・物的環境(感覚運動経験やその頻度など)の相互作用に依存して基本動作の習熟速度が変わる。4~5歳ごろは,3歳までに獲得した運動機能をもとに,片足立ち,片足ケンケン,平均台歩行,スキップなどのさらに高度な粗大運動が発達する。粗大運動の多くがこのころまでに獲得され,学童期以降にみられる運動発達の基礎となる1)。
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