特集 薬にまつわる疑問に答える
薬にまつわる疑問
8.投与量
漢方薬を重複処方するときの注意点とコツを教えてください
渡辺 恵布
1
,
山本 康次郞
1
Meguho Watanabe
1
,
Koujiro Yamamoto
1
1群馬大学附属病院薬剤部
キーワード:
漢方薬
,
重複処方
Keyword:
漢方薬
,
重複処方
pp.1067-1070
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000270
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はじめに
漢方薬はもともと東洋医学的診療のもと,患者1人ひとりの体質をあらわす “証” に合わせて処方されてきた。患者が複数の症状を抱えていても,それらの症状を全体としてとらえ1つの証として扱うため,処方される漢方薬が複数となり構成生薬が重複することは稀であった。しかし近年,漢方薬・生薬の薬理作用に関するエビデンスが集積され,証によらず病名処方されることが実臨床で増えており,一定の臨床効果が得られている。それにより,複数の漢方薬が併用される場面も増えてきている1,2)。耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域,およびがん治療の支持療法で用いられる漢方薬のうち代表的なものを表1に示す。
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