特集 検査結果・検査報告書をどう読むか―感染症・生理機能検査編
感染症検査の結果を読む―治療への活用
インフルエンザウイルスの適切な検体の取り方と結果の見方
川島 佳代子
1
Kayoko Kawashima
1
1大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
インフルエンザ
,
迅速抗原検出検査
,
ポイントオブケア検査
Keyword:
インフルエンザ
,
迅速抗原検出検査
,
ポイントオブケア検査
pp.378-382
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000094
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
季節性インフルエンザは毎年冬のシーズンに流行を繰り返し,国民の5~10%は罹患するとされている。A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に,発熱(通常38°C以上の高熱),頭痛,全身倦怠感,筋肉痛・関節痛などが突然現れ,咳,鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き,約1週間の経過で軽快するのが典型的な症状で,いわゆる “かぜ” に比べて全身症状が強い1)。高齢者やハイリスク患者では細菌性肺炎を合併することがあり,入院を必要とすることや死亡原因となり得る。また小児では熱性けいれん,気管支炎,高熱などで入院を必要とすることがあり,インフルエンザ脳症にも注意が必要である。このようにインフルエンザは,小児から成人まで重症化することがあるため,早期の診断が必要である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.