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人工内耳は補聴器で有効な語音認知が得られない内耳性難聴患者で蝸牛に電極を挿入して直接聴神経を電気刺激することで音感を得る方法である。入力音を電気刺激に変換する方法は語音符号化法と呼ばれ,語音に含まれる周波数情報と時間情報を効率的に聴神経にコードするために種々の工夫がなされ,人工内耳使用者の語音認知は静かなところで1対1なら十分に会話ができるほどになっている。また,言語習得前失聴児でも人工内耳で音声言語が獲得できることも明らかになっている。しかし,人工内耳で得られる聴覚は未だ完全なものでなく,脳機能画像法により,このような不十分な聴覚情報をもとに言語を認知する際には,聴覚連合野だけでなく,言語表出のための諸領域や,視覚野までが賦活されることが観察された。脳は人工内耳からもたらされる聴覚情報を認知するために可塑的に再編成され,場合によっては感覚の種類をこえた可塑性も発現することが明らかになっている。
Cochlear implants let patients with inner ear deafness (re) gain auditory sensation by direct electric stimulation of the auditory nerve, when hearing aids are not effective. The method through which sounds are converted into a pattern of electric stimuli is called speech coding strategy, which has been improved unremittingly to code both spectral and temporal information efficiently. Consequently, cochlear implant users can recognize speech almost completely if it is a person-to-person conversation under quiet situation.
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