特集 ここまで進化した補聴器と人工内耳診療
補聴器の最新情報
補聴器の特殊機能
亀井 昌代
1
Masayo Kamei
1
1岩手医科大学耳鼻咽喉科学講座
キーワード:
補聴器
,
指向性処理機能
,
指向特性
,
通信機能
Keyword:
補聴器
,
指向性処理機能
,
指向特性
,
通信機能
pp.146-150
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000037
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はじめに
昨今のデジタル技術は日々進化を続けており,それに伴いデジタル補聴器の種々の機能も向上してきている。補聴器の雑音抑制処理機能には,雑音抑制処理機能,指向性処理機能,衝撃音抑制機能,語音強調機能,エコーブロック,風切音抑制機能などと称される機能がある。これらの雑音抑制機能処理は通信機能により,雑音と言語の音環境下や多人数の中での会話で,左右両耳に装用した補聴器が連動して指向性を変え雑音を抑制しSN比を改善するようになってきた1~3)。さらに補聴器装用環境を認識し,雑音抑制処理機能など種々の機能を組み合わせて最適と考えられる調整に自動で切り替わるようになり,広告には環境認識にモーションセンサー(装用者の動きを検出する)や超広角センサー(周囲の音を常に分析する),ディープニューラルネットワーク(高度な人工知能の1つ)などが使われているとの記載もある。メーカのホームページやカタログをみるとこれらの機能が働くことにより,装用者は補聴器からの音はとても自然で雑音は気にならず,必要なことばだけが聞き取れるのではないかと錯覚に陥ってしまう。しかし測定方法で種々の機能の働き方が変わるため,広告とは異なることが多々ある。
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