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特集 SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の基礎から臨床まで
SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬の心筋保護メカニズム
Cardioprotective mechanisms of SGLT2 inhibitors
前嶋 康浩
1
MAEJIMA Yasuhiro
1
1獨協医科大学日光医療センター心臓・血管・腎臓内科
キーワード:
NHE1
,
飢餓模倣状態
,
オートファジー
,
インフラマソーム
,
ケトン体
,
線維化
Keyword:
NHE1
,
飢餓模倣状態
,
オートファジー
,
インフラマソーム
,
ケトン体
,
線維化
pp.288-293
発行日 2026年9月25日
Published Date 2026/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002567
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はじめに
ナトリウム・グルコース共輸送体2(sodium glucose cotransporter 2:SGLT 2)阻害薬の登場は,この10年間の循環器疾患治療における最も革新的な進歩の1つである。SGLT2阻害薬は2型糖尿病治療薬として開発されたが,心血管アウトカム試験で想定外の顕著な心保護作用を示した。特筆すべきは,効果が投与開始後数週間から数カ月という早期から出現し,糖尿病合併の有無を問わず一貫して観察される点である。これらの知見は「尿糖排泄による血糖降下や浸透圧利尿が主要効果である」という従来の理解の再検討を促した。DAPA-HF試験1)やEMPEROR-Reduced試験2)では,糖尿病を有しない心不全患者でも同等の予後改善が確認されている。さらに,成熟心筋細胞ではSGLT2がほとんど発現していないことが明らかとなり,心筋への直接阻害では説明できない作用機序の存在が強く示唆された。現在では,ミトコンドリア機能改善,イオン恒常性是正,代謝リプログラミング,オートファジー活性化,慢性炎症抑制,線維化抑制といったSGLT2非依存的な多面的作用機序に注目が集まっている(図)。本稿では,SGLT2阻害薬による心保護作用を説明する非典型的(non-canonical)なメカニズムについて,現在提唱されている仮説を中心に概説する。

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