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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
44.高尿酸血症:トピロキソスタット
Hyperuricemia:Topiroxostat
久留 一郎
1
Hisatome Ichiro
1
1松江市立病院総合診療科(痛風外来)
キーワード:
高尿酸血症・痛風
,
腎障害
,
血漿XO活性
,
トピロキソスタット
Keyword:
高尿酸血症・痛風
,
腎障害
,
血漿XO活性
,
トピロキソスタット
pp.362-367
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002162
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1 はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は全世界で6億9750万人の患者が存在する主要な公衆衛生上の問題である。CKDは種々の生活習慣病を合併し,また心血管疾患ならびに脳血管障害のリスクであり,CKDの進展抑制と予防は喫緊の課題である。高尿酸血症はCKDの合併症の1つであり,痛風のリスクのみならずCKDの進展リスクである。近年,高尿酸血症は高尿酸尿症を介して腎障害を生じる機序,糸球体高血圧を介して腎障害を生じる機序ならびに糸球体硬化症をきたして腎障害を生じる機序が知られている。それゆえに尿酸降下薬(urate lowering therapy:ULT)はCKDの進展を抑制する可能性が示唆されており,複数の研究ではULTは腎機能維持に有効であることが示されたが,ほかの研究ではULTには効果が認められないと報告された。この違いはULTの種類に依存している可能性がある。近年,血漿キサンチン酸化酵素(xanthine oxidase:XO)活性と腎障害との関連が報告され,またXO阻害薬のなかでもトピロキソスタットは血漿XO活性を強力に抑制できることが示された。

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