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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
9.CKD-MBD治療薬:高リン血症治療薬;セベラマー,ビキサロマー
Sevelamer hydrochloride, Bixalomer
小林 亜理沙
1
,
中島 章雄
1
,
大城戸 一郎
1
Kobayashi Arisa
1
,
Nakashima Akio
1
,
Ohkido Ichiro
1
1東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科
キーワード:
カルシウム非含有リン吸着薬
,
血管石灰化
,
心血管疾患
Keyword:
カルシウム非含有リン吸着薬
,
血管石灰化
,
心血管疾患
pp.173-176
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002127
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1 はじめに
リンは生体にとって必要不可欠なミネラルであり,エネルギー代謝や遺伝情報の伝達,細胞膜構成などさまざまな活動に深くかかわっている。生体内では主にリン酸カルシウムとして骨に貯蔵され,残りは軟部組織や血液中に存在する。腎臓はリンの排泄を介して体内のリン濃度を調整する役割を担っているため,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者では高リン血症が問題となる。CKD患者における高リン血症は1,25-ジヒドロキシビタミンDの低下や副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)の上昇,Klotho値の減少,線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF)23の増加をきたし,血管の石灰化や心血管疾患発症のリスクとなり死亡率の増加につながる。

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