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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
VI.各論5:泌尿器疾患(診断と治療)
16.間質性膀胱炎・膀胱痛症候群
Interstitial cystitis/bladder pain syndrome
秋山 佳之
1
Akiyama Yoshiyuki
1
1信州大学学術研究院医学系泌尿器科学講座
キーワード:
interstitial cystitis
,
bladder pain syndrome
,
Hunner lesion
Keyword:
interstitial cystitis
,
bladder pain syndrome
,
Hunner lesion
pp.494-501
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001654
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1 はじめに
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(interstitial cystitis/bladder pain syndrome:IC/BPS)は,「膀胱に関連する慢性の骨盤部の疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進や頻尿などの下部尿路症状を伴い,混同しうる疾患がない状態」の総称と定義される1)。このうち,膀胱粘膜に特徴的な発赤病変であるハンナ病変を認めるものをハンナ型間質性膀胱炎または間質性膀胱炎(ハンナ型)(Hunner-type IC:HIC),それ以外を膀胱痛症候群(BPS)と呼ぶ。ハンナ病変は,肉眼的には境界が比較的明瞭で平坦な発赤病変として膀胱鏡下に認識される(図1)。HICとBPSは類似した症状を呈し,臨床的所見のみで両者を峻別することは多くの場合困難であるが,HICのほうが好発年齢が高く,症状も重症であることが多い2,3)。特に重症のHICは,激しい膀胱・尿道痛と著しい頻尿・尿意切迫により生活の質が大きく低下し,泌尿器科領域では唯一の厚生労働省指定難病となっている。
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