検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識
低尿酸血症
沖田 政義
1
,
河村 毅
1
1同愛記念病院研究検査科・技術科
pp.651-653
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101466
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はじめに
人体のプリン代謝終末産物である尿酸の成人血清尿酸基準値は男性で3.4~7.4mg/dl,女性では2.4~5.6mg/dl1) とされるが,最近では血清尿酸値の基準値は2.0~7.0mg/dlで7.0mg/dl以上は高尿酸血症,2.0mg/dl以下は低尿酸血症(hypouricemia)とされる2).この尿酸は腎糸球体において濾過された後,尿細管で吸収,分泌,再吸収の過程を経て最終的に糸球体濾過量の10%前後が排泄3) される.われわれが低尿酸血症に注目したのは自動分析の開発が進み,還元法から酵素法に移行していく過程で,尿酸値の検査結果が0.6mg/dlを示し,しかも低尿酸血症が家族的に見られた症例に遭遇したからである.初め検査結果のミスを疑い,再検査,方法間差による食い違いなど検討したが問題点は見つからなかった.そこで初めて低尿酸血症を疑うことになった.
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