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特集 サイコネフロロジー:透析・移植
各論
医療者のメンタルヘルス 透析医療従事者のストレス:要因の把握と対処
Stress management and prevention for dialysis staff
伊丹 儀友
1
,
阿部 実保子
1
ITAMI Noritomo
1
,
ABE Mihoko
1
1医療法人友秀会伊丹腎クリニック
キーワード:
バーンアウト
,
3つのR
,
組織的介入
,
個人的介入
Keyword:
バーンアウト
,
3つのR
,
組織的介入
,
個人的介入
pp.345-349
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001239
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はじめに
世界保健機関(World Health Organization:WHO)によると,ストレスとは「困難な状況によって引き起こされる心配や精神的な緊張の状態とされ,ストレスは生活における課題や脅威に対処する人間の自然な反応である」と定義される1)。ストレスは心と体の両方に影響を与え,少しのストレスはよいことであるが,ストレスが多すぎると,心身の健康問題を引き起こす。うまく管理されていない慢性的な職場ストレスの結果として,燃え尽き症候群(burnout:BO)がある。それは,① エネルギーの枯渇または消耗の感覚,② 仕事から精神的に離れてしまうことや仕事に関連する否定的な感情など,③ 仕事効率の低下,の3つの側面から成り,人に関与する仕事である看護師,教育者にはよく認められる。職場環境がよいと正式に認められている米国のマグネット病院であっても,医師の1/3と看護師の半数近くが深刻なBOを経験しており,医療関係者内のストレスが強いこととBOの頻度が高いことによる離職率が注目され,その対策が急がれている2)。透析医療従事者のなかでも多くの研究がなされている看護師のストレスおよびBOを中心に以下に述べる。
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