患者のメンタルヘルス 透析患者における不眠への対処

Dealing with Insomnia in Dialysis Patients

はじめに

　慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）患者からは，しばしば睡眠に関する訴えが聞かれる。一般成人における不眠の頻度が20％であるのに対して^1），CKD患者では50～75％とその頻度は高い^2）。不眠の持続は，身体的不調の悪化要因となるだけでなく，抑うつやイライラ，集中力低下などの精神的不調の原因ともなりうる。したがって，早期から適切に対処することが望まれる。本稿では，CKD・透析患者でみられる不眠を原因別に5つに分類し（表1），それぞれの対応の要点について述べる。