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特集 糖尿病性腎症研究の最前線
SGLT2阻害薬の新たな知見
サーチュインの活性化を介した腎保護効果
Renoprotective effects of SGLT2 inhibitors through activation of proximal tubular NAD+-dependent deacetylase sirtuins
西岡 謙
1
,
山口 慎太郎
1
,
林 香
1
NISHIOKA Ken
1
,
YAMAGUCHI Shintaro
1
,
HAYASHI Kaori
1
1慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科
キーワード:
近位尿細管
,
SGLT2
,
NAD+合成系
,
NAD+依存性脱アセチル化酵素サーチュイン
Keyword:
近位尿細管
,
SGLT2
,
NAD+合成系
,
NAD+依存性脱アセチル化酵素サーチュイン
pp.209-213
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001198
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はじめに
ナトリウム(Na)・グルコース共役輸送体2(sodium glucose cotransporter 2:SGLT2)阻害薬は,2型糖尿病患者を対象としたCREDENCE試験1),非糖尿病患者を対象に取り入れたDAPA-CKD試験2),EMPA-KIDNEY試験3)により,糖尿病合併の有無によらない慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に対する腎保護作用が示された。包括的CKD臨床効果情報縦断データベースを活用した解析から,SGLT2阻害薬の腎保護作用は,血糖改善に依存せず,蛋白尿やレニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)阻害薬の有無にも影響されないことも判明している4)。本稿では,SGLT2阻害薬が腎保護効果をもたらす機序について,主に基礎研究の観点から概説する。
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