3．腎後性AKI

Post renal acute kidney injury

1 病因・病態

　従来，腎不全の明瞭な定義〔血清クレアチニン（Cr）≧2.0mg/dL程度の腎機能低下〕はなく，経過により急性腎不全（acute renal failure）と慢性腎不全に大別していた。しかし，腎不全にいたる前の早期発見・早期介入を目指すために，急性腎不全は急性腎障害（acute kidney injury：AKI）に変化し，慢性腎不全は慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）の概念に含まれるに至った。AKIは，急性に経過する腎機能障害で，一過性のこともあり，進行すると急性腎不全やCKDに至る。一方，腎不全とは，CKDである状態が継続し，腎臓が適切に機能できなくなる状態をいい，CKDの終末期ともいえる。