特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
局所症状を呈するオンコロジーエマージェンシー
腎後性腎不全
高橋 義人
1
,
竹内 康道
1
,
小鷹 博人
1
,
秋田 利和
1
1岐阜県総合医療センター泌尿器科
キーワード:
悪性腫瘍
,
腎後性腎不全
,
尿管ステント
,
経皮的腎瘻
,
経皮的膀胱瘻
Keyword:
悪性腫瘍
,
腎後性腎不全
,
尿管ステント
,
経皮的腎瘻
,
経皮的膀胱瘻
pp.1579-1581
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1579
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Summary
▪高度進行状態となった悪性腫瘍患者において経験することのある腎後性腎不全について概説した.
▪腎後性腎不全は,悪性腫瘍が尿路へ浸潤もしくは尿路を圧迫した結果,尿流の停滞が起こり尿毒症に陥った状態である.
▪腎不全の臨床診断は,血液検査や単純CT検査で容易に行うことができる.
▪治療の原則は尿流の確保である.下部尿路障害であれば導尿もしくは経皮的膀胱瘻造設で対応し,上部尿路障害であれば経尿道的尿管ステント留置術もしくは経皮的腎瘻造設術で対応することが多い.
▪尿流が確保できると,腎不全からの回復の過程で利尿がつくので電解質バランスに留意しつつ,尿量に合わせた輸液管理が必要である.腎機能は可逆的に回復する可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019