Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅳ.全身性疾患に伴う腎障害
25.アミロイドーシス
Renal amyloidosis:systemic amyloidosis and kidney involvement
今井 裕一
1
,
吉野 雅文
1
,
河合 浩寿
1
Imai Hirokazu
1
,
Yoshino Masabumi
1
,
Kawai Hirohisa
1
1多治見市民病院 腎臓・リウマチ膠原病内科
キーワード:
AL型
,
AA型
,
ATTR型
,
Aβ2M型
Keyword:
AL型
,
AA型
,
ATTR型
,
Aβ2M型
pp.307-312
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001046
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1 病因・病態
腎アミロイドーシス (renal amyloidosis)は,腎臓にアミロイド線維が沈着した病態と定義される。腎生検標本HE染色あるいはPAS染色で圴一な物質の沈着が認められ,Congo red染色で橙赤色に染まり,偏光顕微鏡で観察しapple green色の偏光がみられるとアミロイド沈着があると判断する。Congo red染色が,国際的な診断基準になっている。わが国では,direct fast scarlet (DFS)染色を用いる施設も多いが,あくまでも基準はCongo red染色である。アミロイド沈着がある場合には,前駆蛋白に対する抗体を用いて,前駆蛋白を同定し型を判定する。これまでは,過マンガン酸カリ溶液処理で,アミロイド沈着が消失した場合をAA型とし,消失しない場合をAL型としていたが,感度・特異度ともに低く,診断的価値はないので国際的には推奨されていない。抗前駆蛋白抗体を用いた方法で同定できない場合は,沈着したアミロイドを組織標本から切り出し,質量分析・アミノ酸分析を行い同定することになる。わが国のアミロイド研究センターとして熊本大学が依頼を受けている1)。現在,アミロイド前駆蛋白として36種類ほどの報告がある。ただ,日常臨床で頻度の高いのは,AL(light chain)型,AA (SAA)型,ATTR (トランスサイレチン)型,Aβ2M(β2ミクログロブリン)型である。
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