Japanese
English
特集 ホメオスタシスと腎臓
各論
尿中酸分泌能調節:V1aバソプレシン受容体とレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系
Regulation of urinary acid excretion:role of V1a vasopressin receptor in renin-angiotensin-aldosteron system
輿水 崇鏡
1
KOSHIMIZU Taka-aki
1
1自治医科大学医学部薬理学講座分子薬理学部門
キーワード:
酸塩基平衡
,
V1a受容体
,
尿中NH4+排泄
,
ノックアウトマウス
,
Ⅳ型尿細管アシドーシス
Keyword:
酸塩基平衡
,
V1a受容体
,
尿中NH4+排泄
,
ノックアウトマウス
,
Ⅳ型尿細管アシドーシス
pp.631-636
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000952
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はじめに
腎臓は肺と並び体液の酸塩基平衡を司る。肺では二酸化炭素(CO2)を1日15,000mmolの酸として呼気中に排出するのに対し,腎臓は,4,300mmol/日の重炭酸イオン(HCO3−)を濾過しそのほぼ全量を再吸収する。腎臓はさらに,尿細管,髄質間質,集合管にわたり70mmol/日の水素イオン(H+)をHCO3−とともに処理し,排泄している。腎臓のこの酸塩基調節過程に,神経下垂体ホルモンであるバソプレシンがどのようにかかわるかが近年明らかにされつつある。従来より,バソプレシンは抗利尿ホルモンとして,遠位尿細管と集合管のV2バソプレシン受容体に働いて水の再吸収を担うことはよく知られる1)。本稿では,この抗利尿の働きとは別に,バソプレシンが遠位ネフロンにおいてV1aバソプレシン受容体を介して酸塩基平衡にかかわる点を中心に,最近の知見を紹介する。
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