末梢動脈疾患の病態

Pathophysiology of peripheral arterial disease

　わが国の維持透析患者総数は，2021年には約35万人にのぼっている。今後の将来予測では，これをピークに患者数は減少するといわれているが，もちろんこの透析患者数は世界でもトップクラスである。そして透析導入に至った主要原疾患として，2018年の透析導入患者約3.8万人のうち，約1.6万人（42.3％）が糖尿病性腎症を原因としている。糖尿病は，以前より動脈硬化リスクとして知られており，末梢動脈疾患（peripheral arterial disease：PAD）領域，なかでも下肢閉塞性動脈疾患（lower extremity artery disease：LEAD）においても重要なリスク因子である。