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特集 CKD・透析・移植患者の末梢動脈疾患治療の進歩
総論
末梢動脈疾患の診断の変遷
Transition of the concepts of diagnosis of peripheral arterial disease
宮田 哲郎
1
MIYATA Tetsuro
1
1国際医療福祉大学医学部医学教育統括センター
キーワード:
PAD
,
CLI
,
CLTI
Keyword:
PAD
,
CLI
,
CLTI
pp.11-16
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000804
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はじめに
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)は,冠動脈疾患以外の末梢動脈に病変が生じる疾患の総称とする定義もあるが,本稿では一般に用いられることが多い,下肢閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)の同義語として用いる。下肢動脈の慢性閉塞であるPADは,無症状の場合もあるが,間欠性跛行や安静時痛,潰瘍・壊死などの下肢虚血症状により生活の質低下をきたす疾患である。また,PADは動脈硬化が原因のため,虚血性心疾患や脳血管疾患を合併する頻度が高く,PAD患者の生命予後は不良である。このため,PAD患者の治療目標は,下肢虚血症状を克服して生活の質を改善することと,動脈硬化進展の危険因子をコントロールすることで生命予後を改善することである。
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