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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
13 血液浄化療法における感染管理 ②透析液管理
Infection control for dialysis fluid
大薗 英一
1,2
Osono Eiichi
1,2
1越谷大袋クリニック
2日本医科大学微生物学免疫学
キーワード:
バイオフィルム
,
洗浄・消毒
,
清潔操作
,
蛍光法
Keyword:
バイオフィルム
,
洗浄・消毒
,
清潔操作
,
蛍光法
pp.308-314
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000449
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はじめに
透析液供給システムは,透析用水をつくる逆浸透(reverse osmosis:RO)膜や複数のエンドトキシンリテンティブフィルター(ETRF)濾過膜などで仕切られている。透析液の微生物汚染は各区画の装置や配管の壁に由来するバイオフィルムから剝離・出芽したもので,この制御で透析者の炎症反応は改善する(図1)1)。透析液の汚染を管理するなら,オンライン補充液の測定(日本透析医学会,透析液水質基準)だけでは足りない。流路の開放で汚染が生じ,作業者の手や装置の部品が感染源や栄養源となってこれらのバイオフィルムを形成・維持している。ここではISO23500-2019(透析液の品質管理ガイドライン)の微生物制御戦略;① 適切なシステムの設計,日常的な ② 洗浄・消毒,③ 適切な運用,を汚染管理の三原則,「持ち込まない・増やさない・抑え込む」に当てはめ,その効果を主に濾過を含む滅菌工程の細菌捕捉性能を示すときに用いられる対数減少値(LRV)で数値化し,経験則で語られることの多い透析液清浄化に尺度を付けた。99.9%除去:LRV3は “消毒” 相当に,99.9999%除去:LRV6は “滅菌” 相当になるが残念ながら完全には駆逐されない。
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