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特集 腎臓の自動制御機構
【トピックス】
腎間質線維芽細胞による酸素ホメオスタシスの維持
Systemic oxygen homeostasis governed by renal interstitial fibroblasts
岩村 悠真
1
,
鈴木 教郎
1,2
IWAMURA Yuma
1
,
SUZUKI Norio
1,2
1東北大学大学院医学系研究科 酸素医学分野
2東北大学未来科学技術共同研究センター 酸素代謝制御プロジェクト
キーワード:
赤血球造血
,
エリスロポエチン
,
HIF-PH阻害薬
,
REP細胞
,
レニン
Keyword:
赤血球造血
,
エリスロポエチン
,
HIF-PH阻害薬
,
REP細胞
,
レニン
pp.751-755
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000378
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はじめに
酸素は生存に必須であり,生体は酸素供給の恒常性を維持するために低酸素応答システムを備えている。各臓器への酸素供給は赤血球の循環によって規定されているが,個体の酸素摂取量が減少すると,低酸素応答システムが機能することにより,赤血球が増加し,酸素供給効率が向上する。低酸素誘導的な赤血球造血は,腎臓からの造血因子エリスロポエチン(EPO)の分泌が引き金となる。筆者らは,腎EPO産生制御機構の解析を進めており,腎間質の線維芽細胞において低酸素誘導性転写因子(hypoxia-inducible factor:HIF)がEPO遺伝子発現を誘導する分子機序を明らかにした。また最近,腎間質線維芽細胞が昇圧因子レニンも分泌することを見出した。したがって,腎間質線維芽細胞は赤血球の数と循環を制御することにより,酸素供給の恒常性維持において統合的な役割を担っていることがわかった。
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