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第31回 腎と妊娠研究会 【特別講演】
妊娠高血圧症候群の病因・病態・長期予後と慢性腎臓病との関連
The connection between the cause, the pathology, the long-term prognosis of hypertensive disorders of pregnancy and chronic nephritis
関 博之
1
SEKI Hiroyuki
1
1 埼玉医科大学総合医療センター 産婦人科
キーワード:
妊娠高血圧症候群
,
慢性腎臓病
,
病因
,
長期予後
,
定義・分類の改定
Keyword:
妊娠高血圧症候群
,
慢性腎臓病
,
病因
,
長期予後
,
定義・分類の改定
pp.757-762
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000379
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はじめに
妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)とは「妊娠時に高血圧を認めた場合」をいい,妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE),妊娠高血圧(gestational hypertension:GH),加重型妊娠高血圧腎症(superimposed preeclampsia:SPE),高血圧合併妊娠(chronic hypertension:CH)の4つの病型に分類される(表)1)。後述するが,現在の定義・分類は2018年に改定され,わずかしか時間が経っておらず,現在の定義・分類での発症頻度をはじめとするわが国の疫学データはまだ報告されていない。世界的にはPEに関する疫学研究は多数報告され,その発症頻度は2~5%で2),母体の死亡率や罹病率とともに医原性の早産,常位胎盤早期剝離,胎児発育遅延(fetal growth restriction:FGR),新生児死亡などの原因となり3,4),母児双方に重篤な影響を及ぼす最も重要な疾患の1つである。
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