巻頭言
CKD診療新時代―CKDが提唱されて20年
鈴木 仁
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院 腎・高血圧内科
pp.949-950
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000191
- 有料閲覧
- 文献概要
慢性腎臓病(CKD)は,2002年に提唱された疾患概念であり,提唱されて早20年を迎える。CKDは多くの諸外国で社会問題化している疾患であり,莫大な医療費が投入されているのに,これまで有効な治療方法が存在しなかった。しかも高齢化社会においてCKD患者数は増える一方である。国内でのCKD患者数は約1,300万人で,成人の8人に1人といわれ,新たな国民病と呼ばれて久しい。進行すると腎代替療法が必要になるが,現在34万人以上の患者さんが透析療法を受けている。透析に要する医療費は年間約1兆5,000億円といわれ,医療費全体の約5%を占める。世界的にみると,CKD患者数は約8億5,000万人であり,社会的,経済的,医学的に多くの問題を抱えている。しかし,さまざまなエビデンスが創出され,治療方法の多様化が進み,CKD診療はこの20年で大きく様変わりしている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.