Japanese
English
特集 自己免疫性胃炎2026
[自己免疫性胃炎の内視鏡診断および診療]
【Note】Helicobacter pylori除菌により萎縮性胃炎は進行するのか?
Is the atrophic progression of autoimmune gastritis accelerated by Helicobacter pylori eradication therapy?
伊原 隆史
1
,
春間 賢
2
,
九嶋 亮治
3
Takashi Ihara
1
,
Ken Haruma
2
,
Ryoji Kushima
3
1医療法人新生会 伊原内科医院
2川崎医科大学名誉教授/川崎医科大学総合医療センター総合内科2特任研究員/淳風会医療診療セクター長
3滋賀医科大学病理学講座人体病理学部門
キーワード:
H. pylori除菌
,
B型胃炎
,
萎縮性胃炎
Keyword:
H. pylori除菌
,
B型胃炎
,
萎縮性胃炎
pp.844-846
発行日 2026年7月25日
Published Date 2026/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002756
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
Helicobacter pylori(H. pylori)感染と自己免疫性胃炎(autoimmune gastritis:AIG)との関連性については,古くから種々の見解が報告されてきているが,いまだ一定の結論は得られていない。したがって,H. pylori 感染を伴うAIGに認められる萎縮性変化が,除菌治療により影響を受けるのかという点についても,その結論を導くことは,厳密には難しい課題である。その正確な評価のためには,まず除菌治療が行われる前にAIGの発症の有無が確認できていること,さらに最初のAIGの診断時点で胃体部の萎縮性変化があまり進展しておらず,その後の萎縮の進展の経過が十分に評価できることが必要となる。しかし,AIGの診断の契機は,内視鏡所見にせよ,貧血所見にせよ,胃体部の萎縮が高度に進行した結果によるところが大半であるので,そのような条件に合致する症例に遭遇する機会は限られている。また,除菌前の慢性胃炎についても,H. pyloriの生着範囲が広範囲であり,その活動性が高い症例のほうが,除菌の影響が大きく現れることが期待できる。筆者らは,このような症例で,除菌治療を行ったにもかかわらず,比較的短期間のうちに胃体部の萎縮性変化が悪化した症例を経験したので提示する。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

