先端フードの利用は小腸での内視鏡治療を容易にする

The use of a distal attachment facilitates endoscopic treatment in the small intestine

解説

　バルーン内視鏡は，バルーンつきオーバーチューブにより手前の腸管のたわみを抑制することで深部小腸における操作性を大きく改善し，小腸での内視鏡治療を可能にした。しかしながら，小腸は他の消化管に比較して内腔が狭く，屈曲が多いという解剖学的特徴がある。視野を妨げない1mm長の短いフードでも，対物レンズが粘膜面に密着する「赤玉」を回避できるため，挿入・観察には有用である。しかしながら，小腸において安全で効率的な内視鏡治療を行うためには短いフードだけでは不十分であり，目的に応じた適切なフードの使用が望ましい（表）。