Japanese
English
特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅱ.咽喉頭・食道
見逃すな口蓋メラノシーシス,咽頭・食道癌のバイオマーカー
Don't miss palatal melanosis: a biomarker for pharyngeal and esophageal cancer
有馬 美和子
1
,
秋葉 星哉
1
,
穴井 映光
1
Miwako Arima
1
1上尾中央総合病院消化器内科
pp.498-499
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001980
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
解説
本邦では咽頭・食道癌の90%以上が扁平上皮癌で,これらのリスク因子は共通していることから,同時性,異時性に頭頸部癌・食道癌が多発して発生するfield cancerizationが特徴的である。食道癌のリスク因子として,高齢男性,飲酒と喫煙,痩せ,野菜や果物の摂取不足,熱い飲食物の嗜好などが知られている。アセトアルデヒド(acetaldehyde:AcH)の主要な代謝酵素であるアルデヒド脱水素酵素2(aldehyde dehydrogenase-2:ALDH2)の欠損者は少量飲酒で顔が赤くなる体質(flusher:フラッシャー)で,喫煙が加わると相乗的に食道癌リスクが高まることが知られている。ALDH2ホモ欠損者は飲酒しないことが多いが,ヘテロ欠損者のなかには鍛えて飲めるようになったものの,飲酒を始めたころは顔が赤くなった人(former flusher)もおり,日本人の40%,アルコール依存症患者の15%がヘテロ欠損と言われている1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.