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特集 消化管静脈瘤診療Update
[食道静脈瘤]
【Note】食道静脈瘤診療における画像強調内視鏡(IEE)の役割
Roles of image-enhanced endoscopy (IEE) in the management of esophageal varices
古市 好宏
1
,
西口 遼平
2
,
小林 史怜
1
,
島川 武
2
,
藤原 智之
1
,
佐藤 浩一郎
1
Yoshihiro Furuichi
1
,
Ryohei Nishiguchi
2
,
Shirei Kobayashi
1
,
Takeshi Shimakawa
2
,
Tomoyuki Fujiwara
1
,
Koichiro Sato
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター検査科光学診療部(内視鏡内科)
2東京女子医科大学附属足立医療センター外科
キーワード:
食道胃静脈瘤
,
画像強調内視鏡
,
RDI
Keyword:
食道胃静脈瘤
,
画像強調内視鏡
,
RDI
pp.1645-1649
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001779
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1.概要
Red dichromatic imaging(RDI)は2020年にオリンパスメディカルシステムズ社より発売された新しい画像強調内視鏡技術で,内視鏡治療中の出血リスクを軽減することを目的に開発された。これにより深部血管の視認性が向上する。内視鏡光源から照射された光のうち,比較的長い二つの波長(595〜610nm,620〜640nm)の血管内吸収差を利用している。食道静脈瘤は門脈圧亢進症によって生じる血管性病変であり,おもに粘膜下層(一部は粘膜層)に存在する。したがってRDIを用いることで視認性が向上し,その程度によって静脈瘤の深さを予測することが可能となる1)。また,この機能により内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy:EIS)時の静脈瘤内注入成功率が上昇し,静脈瘤再発率低下につながる。さらに,RDIはEIS治療中の出血点を見えやすくし,治療時間も短縮する。
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