Japanese
English
特集 全身性疾患を見逃すな!―内視鏡所見から読み解く―
[食道病変を生じる全身性疾患]
中下部食道に優位な剝離性食道炎―薬剤性食道炎―
Exfoliative esophagitis predominant in the middle and lower esophagus: drug-induced esophagitis/esophageal ulcer
有馬 美和子
1
,
原田 文人
1
,
中村 直裕
1
Miwako Arima
1
,
Fumito Harada
1
,
Naohiro Nakamura
1
1上尾中央総合病院消化器内科
キーワード:
ダビガトラン
,
剝離性食道炎
,
薬剤性食道炎
Keyword:
ダビガトラン
,
剝離性食道炎
,
薬剤性食道炎
pp.813-816
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001466
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
典型的な内視鏡像
Case1
70歳台男性。以前から心房細動でダビガトランを内服している。早期頸部食道癌でESDを施行し,その経過観察目的に内視鏡を行ったところ,上切歯列から20cmで軽度の内腔狭小あり,瘢痕部から肛門側に浮腫状で,やや透明感のある白色上皮が認められた(図1a,b)。スコープを挿入すると白色上皮が剝がれて浅いびらんとなった(図1c,d)。拡大観察すると細かなネットワーク状の微細血管が観察され,炎症性の変化であった(図1e)。症状は特になかったが内視鏡所見からESD瘢痕の口側にダビガトランが停滞したことによる薬剤性食道炎(drug-induced esophagitis:DIE)と考え服薬指導を行ったところ,瘢痕狭窄することなく改善した(図1f)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.