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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
粘膜下腫瘍/粘膜下腫瘍様病変
神経内分泌腫瘍(NEN):十二指腸乳頭部/副乳頭部
Neuroendocrine neoplasm in the major and minor papilla
黒木 保
1
,
釘山 統太
1
,
福井 彩恵子
1
,
北里 周
1
,
佐伯 哲
2
,
三浦 史郎
3
Tamotsu Kuroki
1
,
Touta Kugiyama
1
,
Saeko Fukui
1
,
Amane Kitasato
1
,
Akira Saeki
2
,
Shiro Miura
3
1国立病院機構長崎医療センター肝胆膵外科
2国立病院機構長崎医療センター肝臓内科
3国立病院機構長崎医療センター病理診断科
キーワード:
神経内分泌腫瘍
,
十二指腸乳頭部
,
十二指腸副乳頭部
Keyword:
神経内分泌腫瘍
,
十二指腸乳頭部
,
十二指腸副乳頭部
pp.510-511
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001335
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疾患の概要
消化器に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm:NEN)は,稀少疾患でありその頻度は人口10万人に3~5人の新規患者の発生とされている1)。十二指腸は消化器NENのなかで直腸,胃に次ぐ発生率でやや男性に多いとされている。発生部位は球部,下行脚が大半を占めており乳頭部は十二指腸NENの24.5%であるが,副乳頭部は2.2%ときわめて稀である2)。十二指腸乳頭部・副乳頭部NENは他の消化管NENと同様に粘膜下腫瘍の形態をとって発育することが多く,粘膜生検による正診率は低く,EUS-FNAが有用である3)。十二指腸乳頭部・副乳頭部NENの治療方針は,ガイドライン上は十二指腸NENとして一括りになっている。腫瘍径が1cm未満かつ粘膜筋層への浸潤がなくリンパ節転移がない症例であれば内視鏡的切除術が適応されるが,進展度診断が困難であることと高率にリンパ節転移をきたすことを考慮するとその適応には慎重にならざるをえない3)。特に副乳頭部NENは副膵管開口の有無が腫瘍浸潤およびリンパ節転移に関与していると推察されており,非開口例では早期に浸潤,リンパ節転移をきたすと報告されている4)。
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