特集 転ばぬ先の漢方薬 脱・介護! フレイル・ロコモ・サルコペニア対策の新たな一手
「高齢者の低栄養」予防・カイゼン編③ 「だす(排泄)」を補完する漢方薬
眞部 紀明
1
,
武家尾 恵美子
1
,
小西 貴子
1
,
中村 純
1
,
勝又 諒
2
,
村尾 高久
2
,
藤田 穰
1
,
鎌田 智有
2
,
春間 賢
3
1川崎医科大学 検査診断学(内視鏡・超音波)
2川崎医科大学 健康管理学
3川崎医科大学 総合内科学2
pp.1994-1999
発行日 2023年11月5日
Published Date 2023/11/5
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023120009
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Key Points
慢性便秘症は,心血管イベント,脳卒中,慢性腎臓病の累積発症率やフレイルなど多くの疾患に関連する.
多くの漢方には腸管運動亢進作用と便の軟化作用,腸管の過剰収縮を和らげる作用が複合的に含まれており,効率よく大腸通過時間を短縮させる.また,大黄の作用が強過ぎて使用できない場合には,山椒による腸管運動亢進作用を期待できる.
慢性便秘症治療の目標は,排便中核症状(便通,便の硬さ)のみならず,排便周辺症状(怒責,腹痛,腹部膨満感,残便感,直腸肛門の閉塞感・困難感,用手的介助)を同時に改善することが重要と考えられる.
慢性便秘症の排便周辺症状に対する大建中湯の効果が示されている.
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