特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
1. びまん性炎症性病変
Russell body gastritis
北沢 尚子
1
,
中島 寛隆
1
,
榊 信廣
1
Naoko KITAZAWA
1
,
Hirotaka NAKASHIMA
1
,
Nobuhiro SAKAKI
1
1早期胃癌検診協会附属茅場町クリニック
キーワード:
Russell body gastritis
,
Russell body
,
H. pylori
Keyword:
Russell body gastritis
,
Russell body
,
H. pylori
pp.278-279
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000451
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疾患の概要
Russell body gastritis(RBG)は,1998年に本邦で第1例目の報告がなされた稀な慢性胃炎の一亜型で,Helicobacter pylori(H.pylori)感染などに伴い,胃粘膜に浸潤する形質細胞の多くにRussell bodyを有する特異な組織像を示す1)。Russell body(RB)とは,慢性炎症や悪性腫瘍で見られる小球体で,形質細胞の粗面小胞体に免疫グロブリンが凝集したものである2)。RBの成因は明らかにされていないが,H.pyloriなどの慢性感染の刺激が形質細胞のなかで免疫グロブリンまたはその誘導体の分泌障害を引き起こし,RBを形成する可能性が示唆されている3)。
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