大腸癌に対するEUS診断

EUS for colorectal cancer

要　旨

EUSは大腸癌の浸潤度のみならず，粘膜下層の血管分布，リンパ濾胞・粘液湖，muscle retracting signなどの情報も得られるため，内視鏡切除時の参考となる。また，癌浸潤先進部と固有筋層との関係を正確に診断できるため，完全内視鏡切除の可否予測が可能である。術前EUSにおいて，癌浸潤先進部と第4層との距離（TFD）が1mm未満（EUS-TFD分類Type Ⅱ）の症例は深部断端（VM）陽性となる可能性があるため，内視鏡切除の決定には慎重な判断が必要である。