Japanese
English
特集 内視鏡データリファレンスブック2022
【臓器別】
十二指腸・小腸
バルーン内視鏡
Balloon-assisted enteroscopy
小野 友輔
1
,
矢野 智則
1
Yusuke ONO
1
,
Tomonori YANO
1
1自治医科大学附属病院消化器肝臓内科
キーワード:
バルーン内視鏡
,
ダブルバルーン内視鏡
,
シングルバルーン内視鏡
Keyword:
バルーン内視鏡
,
ダブルバルーン内視鏡
,
シングルバルーン内視鏡
pp.663-667
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000150
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ バルーン内視鏡の概説
通常の上部消化管内視鏡検査用スコープでは十二指腸まで,下部消化管内視鏡検査用スコープでは回腸末端までの挿入・観察が可能だが,空腸・回腸への挿入・観察は困難である。これは空腸・回腸がTreitz靱帯と回盲部でのみ固定されており,腸間膜にはつながっているが腹腔内に固定されておらず,屈曲して折りたたまれた形で腹腔内に収まっているので,スコープに加えた操作力が先端にうまく伝わらないためである。バルーン内視鏡(balloon-assisted enteroscopy:BAE)はオーバーチューブのバルーンを支点として操作力がスコープ先端に伝わりやすくしたものである。BAEにはオーバーチューブ先端とスコープ先端にバルーンを装着したダブルバルーン内視鏡(double-balloon enteroscopy:DBE)(図1)と,オーバーチューブ先端のみにバルーンを装着したシングルバルーン内視鏡(single-balloon enteroscopy:SBE)がある。バルーンを膨らませて腸管を内側から把持することで支点とし,スコープ先端に力を伝わりやすくするのみでなく,バルーンで腸管を把持し折り畳んで短縮することで,スコープ長以上の深部への挿入を可能にした。蠕動に頼る挿入方法ではないため,経口・経肛門の両方から挿入が可能で,全小腸の観察が可能となった。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.