Japanese
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特集 内視鏡的乳頭切除術まるわかり
[各論]
EP後に必要な処置―出血の予防―
Additional procedures after endoscopic papillectomy: Prophylaxis for bleeding
窪田 賢輔
1
,
鈴木 洸
1
,
佐藤 元一
1
,
八木 伸
1
,
栗田 裕介
1
,
長谷川 翔
1
,
佐藤 高光
1
,
細野 邦広
1
,
香川 幸一
2
Kensuke Kubota
1
,
Ko Suzuki
1
,
Motokazu Sato
1
,
Shin Yagi
1
,
Yusuke Kurita
1
,
Sho Hasegawa
1
,
Takamitsu Sato
1
,
Kunihiro Hosono
1
,
Koichi Kagawa
2
1横浜市立大学附属病院内視鏡センター(肝胆膵消化器病学)
2けいゆう病院消化器内科
キーワード:
内視鏡的乳頭部腫瘍切除術(EP)
,
出血
,
予防的小帯縫縮術
Keyword:
内視鏡的乳頭部腫瘍切除術(EP)
,
出血
,
予防的小帯縫縮術
pp.76-82
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000014
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はじめに
現状では内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)は完全生検として行われている。De novo癌は早期であっても基本的には適応ではないと認識されてきた。EPが安全・確実に施行できることが胆膵内視鏡の専門医としての必要条件である。一方,胆膵内視鏡関連手技のうちでEPは,比較的偶発症率(膵炎・出血・穿孔)が高く,時に致死的となる。近年,Oddi括約筋内の早期癌にも適応が拡大しつつある。このようななか,2021年に日本消化器内視鏡学会から「内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)診療ガイドライン」1)が作成され,安全な手技の確立と保険収載が期待されている。しかし本ガイドラインのステートメントの多くはエビデンスレベルが低く,具体的な出血予防法までの記載は十分ではない。EPにおいて,創部が離解する前に行う小帯のclippingが,EP術後の出血予防に有効な可能性がある。引き続き最低限の膵管stentingを,できるだけ短時間(30分以内)に完了することが望ましい。
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