基礎講座
シリーズ―腫瘍マーカーの免疫染色 (第2回) 臓器・組織特異的なマーカーと治療の決定に活用されるマーカー
堤 寛
1
1つつみ病理診断科クリニック
キーワード:
Formaldehyde
,
甲状腺腫瘍
,
腫瘍バイオマーカー
,
前立腺腫瘍
,
副腎皮質腫瘍
,
免疫組織化学
,
組織固定
,
パラフィン包埋
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
肺癌-小細胞
,
乳房腫瘍-トリプルネガティブ
,
肺腺癌
Keyword:
Biomarkers, Tumor
,
Thyroid Neoplasms
,
Paraffin Embedding
,
Tissue Fixation
,
Adenocarcinoma of Lung
,
Formaldehyde
,
Prostatic Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Adrenal Cortex Neoplasms
,
Small Cell Lung Carcinoma
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
,
Triple Negative Breast Neoplasms
pp.1046-1059
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2024030484
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本稿では,ホルマリン固定・パラフィン包埋切片で証明可能な臓器・組織特異的マーカーと治療の決定に活用されるマーカーに関してまとめる.cytokeratinの免疫染色では,CK7とCK20,CK13とCK17の組み合わせが,腺癌の由来判定および扁平上皮異形成の特徴づけに応用される.中皮細胞マーカー,神経内分泌細胞マーカー,筋上皮・基底細胞マーカーは,悪性中皮腫,神経内分泌腫瘍,筋上皮系腫瘍の診断確定・鑑別診断に利用される.前立腺マーカー,副腎皮質マーカー,横紋筋マーカー,精上皮腫マーカーについても紹介する.アポクリン型トリプルネガティブ乳癌の正しい認識は,適切な治療法の選択に直結する.PD-L1,c-kit,CCR4に対する免疫染色の結果は,リンパ球浸潤癌,GISTおよびATLLの治療法を決定する.
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