特集 胃癌診療のパラダイムシフト
治療面のパラダイムシフト 内視鏡的切除術の変遷
松浦 倫子
1
,
窪澤 陽子
,
増永 哲平
,
水谷 真理
,
木口 賀之
,
佐々木 基
,
高取 祐作
,
中山 敦史
,
加藤 元彦
,
矢作 直久
1慶應義塾大学医学部附属病院 腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
栄養評価
,
加齢
,
鉗子
,
術中合併症
,
腸穿孔
,
共存疾患
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
スネア
Keyword:
Nutrition Assessment
,
Intraoperative Complications
,
Stomach Neoplasms
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Gastroscopy
,
Aging
,
Comorbidity
,
Intestinal Perforation
pp.1152-1158
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295049
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早期胃癌の内視鏡切除において、EMRで切除できる病変に技術的な限界があり、遺残や再発、また組織学的な評価が不十分となることが問題視されていた。病変の局所コントロールおよび詳細な組織学的評価のため一括切除を目指して、ESDが開発された。さまざまな周辺機器の発展に伴い治療困難病変も一括切除が可能となり、技術的な制限は大きく減ってきている。外科切除例の検討によりリンパ節転移リスクのきわめて低い早期胃癌が推測され、前向き試験により長期予後が検証され、『胃癌に対するEMR/ESDガイドライン(第2版)』では、これまで適応拡大病変であった病変が絶対適応病変となった。近年はESDの技術を応用し粘膜下腫瘍に対しても腹腔鏡内視鏡合同切除術が保険収載され、全層切除術が先進医療となっている。一方で、高齢者に対する内視鏡治療の適応、また追加治療の判断については今後さらなる検証が必要である。
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