特集 酸分泌抑制薬の功罪
胃 PPI長期投与と萎縮性胃炎
榊 信廣
1
1早期胃癌検診協会
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Omeprazole
,
胃炎-萎縮性
,
胃腫瘍
,
胃食道逆流
,
抗細菌剤
,
食道炎-逆流性
,
腺癌
,
多剤併用療法
,
診療ガイドライン
,
リスク評価
,
Proton Pump Inhibitors
,
除菌療法
,
発癌
,
長期投与
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Stomach Neoplasms
,
Omeprazole
,
Esophagitis, Peptic
,
Gastritis, Atrophic
,
Gastroesophageal Reflux
,
Adenocarcinoma
,
Risk Assessment
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Practice Guidelines as Topic
,
Carcinogenesis
,
Proton Pump Inhibitors
pp.1180-1185
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020376638
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プロトンポンプ阻害薬(PPI)長期投与が胃癌発生に関与する胃体部萎縮性胃炎を増悪させるか文献的に調べた。PPI長期投与が胃体部萎縮性胃炎の進行を促進することを示した1996年のKuipersらの報告は有名であるが、厳密なランダム化比較試験ではなかったことから異論もある。しかしH.pylori感染スナネズミ実験では、PPIの長期投与は胃体部萎縮性胃炎を進行させるだけでなく、腺癌の発生も亢進させることが確認された。正~過酸状態ではH.pylori胃炎は前庭部に限局するが、酸分泌低下状態では胃体部優位の萎縮性胃炎となる。萎縮の乏しいH.pylori陽性患者にPPI長期投与などで酸分泌を抑制すると胃体部萎縮性胃炎が進行すると考えられるため、事前の除菌治療がすすめられている。
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