特集 消化管内視鏡診断の基本手技
消化管組織生検の基本と注意点
赤松 泰次
1
,
下平 和久
,
宮島 正行
,
中村 真一郎
,
植原 啓之
,
木畑 穣
,
市川 徹郎
,
大田 浩良
1長野県立病院機構長野県立信州医療センター 内視鏡センター
キーワード:
胃腸腫瘍
,
鉗子
,
検体取り扱い法
,
消化管出血
,
生検
,
線維症
,
抗血栓剤
,
消化管内視鏡法
,
医療ミス
,
観察者による差
,
病理医
Keyword:
Medical Errors
,
Biopsy
,
Observer Variation
,
Fibrosis
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Gastrointestinal Neoplasms
,
Fibrinolytic Agents
,
Pathologists
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Specimen Handling
pp.504-513
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020250292
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組織生検は、さまざまな臓器の疾病の診断に欠くことのできない重要な検査法として位置づけられている。消化管における内視鏡下組織生検は他の臓器に比べて安全かつ容易に施行できるため、一般に広く行われている。鉗子生検を行う場合、内視鏡施行医は挫滅の少ない良好な生検標本を適切な部位より採取し、生検病理依頼書に生検の目的や内視鏡所見を簡潔かつ明瞭に記載して病理医に提供する必要がある。通常の鉗子生検では診断が困難な場合は特殊な生検手技が必要になる。一方、近年診断を病理医に依存しすぎたり、生検診断を偏重する傾向が一部にみられる。生検診断にはいろいろな「落とし穴」があり、内視鏡医は内視鏡所見を軸にして診断することが大切で、生検診断を「鵜呑み」にせずあくまで「補助診断」と考えるべきである。内視鏡診断と生検診断に大きな乖離を認める場合には、さまざまな「間違い」の可能性を考慮して対応する必要がある。
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