特集 てんかん-知識のアップデート:基本から最新のトピックスまで
小児で重要なてんかん症候群 Panayiotopoulos症候群、Gastaut型小児後頭葉てんかん
平野 嘉子
1
1東京都立東大和療育センター分園よつぎ療育園
キーワード:
抗けいれん剤
,
鑑別診断
,
脳波記録法
,
Panayiotopoulos症候群
,
てんかん-後頭葉
Keyword:
Anticonvulsants
,
Diagnosis, Differential
,
Epilepsies, Partial
,
Electroencephalography
pp.1680-1684
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2022030542
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<Key Points>Panayiotopoulos症候群(1)自然終息性焦点てんかんの一型で、正常発達の幼児に発症する。(2)発作は睡眠時の嘔吐や悪心から始まる自律神経症状が主体の焦点性発作で、全身または片側の間代発作やictal syncopeとよばれる失神様の脱力発作を起こす。発作は重積しやすい。(3)発作間欠期脳波にて、高振幅棘波や棘徐波複合が経過とともに移動性・多焦点性に出現する。(4)発作予後は良好である。発作回数も少ない場合が多く、必ずしも抗てんかん薬治療は必要とされない。Gastaut型小児後頭葉てんかん(1)自然終息性焦点てんかんの一型で、正常発達の学童に発症する。(2)発作は必ず視覚発作から始まり、時に意識減損発作や焦点起始両側強直間代発作に進展する。また、発作後の頭痛を高頻度に認める。(3)発作間欠期脳波にて後頭領域のてんかん波を認める。閉眼や中心視の遮断で誘発され、開眼や中心視により抑制される。(4)発作予後はさまざまである。発作は短いが頻発する傾向にあるため、治療を要することが多い。
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