特集 食物アレルギー-変わる常識と新たなクリニカルパール
診断・治療管理の実際 経口免疫療法のこれまでとこれから
三浦 陽子
1
,
柳田 紀之
1国立病院機構相模原病院 小児科
キーワード:
Allergens
,
過敏症-食品性
,
免疫学的脱感作
,
経皮投与
,
プロバイオティクス
,
高温
,
Omalizumab
,
舌下免疫療法
,
経口免疫寛容
Keyword:
Probiotics
,
Hot Temperature
,
Omalizumab
,
Food Hypersensitivity
,
Desensitization, Immunologic
,
Administration, Cutaneous
,
Allergens
,
Sublingual Immunotherapy
pp.925-931
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021247846
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<Key Points>(1)経口免疫療法(OIT)は、自然治癒が期待できない重症な食物アレルギー患者を対象に、食物アレルゲンを連日摂取することにより脱感作状態(=症状が出にくい状態)とする治療法であり、専門施設で臨床研究として実施されている。(2)日常的に摂取する量(日常摂取量)を目標量としたOITでは、OIT中に重症なアレルギー症状を多く認めることが問題となった。(3)近年、新しい方法を用いた免疫療法が報告されている。少量を目標量としたOITや免疫学的製剤(オマリズマブ)を併用したOITなどは、日常摂取量を目標としたOITと比較して安全性は高い。しかし、期待できる効果は治療法によりさまざまである。(4)OITの一般治療化を目指すには、まず安全に実施する必要があり、実施施設の基準を明確にし、治療プロトコールの統一やOITに使用する食物の製剤化を検討する必要がある。
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