症例
先天性声帯麻痺で発症したが声帯麻痺の改善を認めるPelizaeus-Merzbacher病の1例
中迫 正祥
1
,
上村 裕保
,
柄川 剛
,
五百蔵 智明
,
久呉 真章
,
畠山 理
1姫路赤十字病院 小児科
キーワード:
声帯麻痺
,
MRI
,
脳幹聴覚誘発電位
,
Pelizaeus-Merzbacher病
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Vocal Cord Paralysis
,
Evoked Potentials, Auditory, Brain Stem
,
Pelizaeus-Merzbacher Disease
pp.273-277
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019142800
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日齢0男児。生直後からの吸気性喘鳴と努力性呼吸を主訴とした。集中治療室で喉頭ファイバーを施行し、正中位でほぼ固定された両側声帯を認めた。頭部MRIで異常所見を認めず、特発性先天性声帯麻痺と診断した。以後は人工呼吸器管理としたが、日齢14日に眼振が出現し、聴性脳幹反応検査でII波以降の消失を認めた。Pelizaeus-Merzbacher病(PMD)と診断し、日齢65に気管切開術を施行した。日齢72以降に人工鼻下に呼吸が安定し、日齢99に退院となった。生後6ヵ月の頭部MRIで髄鞘化遅延を認め、PLP1遺伝子解析を行った。その結果、exon2の点変異を認め、PMDと確定診断した。1歳8ヵ月の現在、対症療法の気管切開と理学療法に留まっているが、両側声帯は改善し、体重増加は良好である。
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