特集 小児内視鏡外科手術の術中・術後合併症と対策
横隔膜ヘルニア手術時のポートによる肺損傷
服部 健吾
1
1愛仁会高槻病院 小児外科
キーワード:
横隔膜ヘルニア
,
胸腔鏡法
,
高頻度換気
,
術中合併症
,
胸腔ドレナージ
,
肺損傷
,
トロカール
Keyword:
Intraoperative Complications
,
High-Frequency Ventilation
,
Hernia, Diaphragmatic
,
Thoracoscopy
,
Surgical Instruments
,
Lung Injury
pp.1167-1171
発行日 2020年11月25日
Published Date 2020/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021096778
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症例は在胎37週0日に出生した2576gの児で、日齢2に先天性横隔膜ヘルニアに対してHFOV下に胸腔鏡手術を施行したが、1stポート挿入時に肺損傷を生じた。その後は人工気胸下で3ポートによる胸腔鏡下横隔膜ヘルニア根治術を行い、ほかに合併症の併発なく手術は完遂できた。肺損傷に関しては胸腔ドレーンを留置して保存的に経過観察したところ、良好な経過が得られた。本症例では肺損傷を生じた原因として軽症横隔膜ヘルニアであり肺低形成がなかったこと、HFOVを用いることで人工気胸圧がかかりにくく視野がとれなかったこと、術者の経験不足の3点が考えられた。
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