症例
直腸内翻転・経肛門的結紮が有効であった鎖肛を伴わない直腸前庭瘻の1例
今治 玲助
1
,
藤解 諒
,
渡邊 日向子
,
佐伯 勇
,
向井 亘
,
尾山 貴徳
1広島市立広島市民病院 小児外科
キーワード:
X線診断
,
結紮
,
肛門部
,
直腸腟瘻
Keyword:
Anal Canal
,
Ligation
,
Rectovaginal Fistula
,
Radiography
pp.418-421
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2020274126
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症例は8ヵ月女児で、生後1ヵ月よりおむつの腹側・背側2ヶ所に便が付着し、会陰部からの便排出に気づき、当科紹介となった。鎖肛を伴わない直腸前庭瘻と判断し、定期的ヘガールブジーにより正常肛門よりの便排出を促すこととした。生後7ヵ月時に瘻孔へ4Fr.栄養チューブの挿入が可能となり手術を施行した。瘻孔を翻転させると直腸側に瘻孔先端が露出されたため、これを把持し直腸側に牽引した。経肛門的に瘻孔に6-0吸収糸による刺通結紮をおき、同じく経肛門的にその近位側に5-0吸収糸により二重結節縫合をおいた。直腸外膜側は縫合処理せず、術野を洗浄し会陰部筋層を結節縫合で閉鎖した。術後3日目より哺乳を開始し、術後7日目に前庭部粘膜の創離開を認めたが、瘻孔の再発はなく術後11日目に退院となった。現在術後6ヵ月経過し、とくに問題を認めていない。
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