特集 外来で役立つ知識:外陰部・会陰部・肛門部周辺の疾患
鎖肛を伴わない直腸前庭瘻 直腸内翻転・経肛門的結紮法について
今治 玲助
1
,
向井 亘
,
尾山 貴徳
1広島市立広島市民病院 小児外科
キーワード:
結紮
,
肛門部
,
直腸腟瘻
,
腹部X線診断
Keyword:
Anal Canal
,
Ligation
,
Rectovaginal Fistula
,
Radiography, Abdominal
pp.658-661
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021274266
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鎖肛を伴わない直腸前庭瘻は、出生直後または乳児期早期に発症し、痔瘻疑いや会陰部からの排便を主訴に小児外科に紹介となる稀な疾患であり、その治療方針についてはいまだコンセンサスが得られていない。今回、経験した3例について手術方法と術後経過を中心に報告した。直腸内翻転・経肛門的結紮法は、切開・剥離が前庭部瘻孔周囲のみであり、経肛門的pull-throughや会陰部切開・剥離を必要としないため、会陰部の創し開をきたさず、腸粘膜も剥離しない低侵襲で有用な術式であると考えられた。
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