研究
先天性心疾患合併児の早期幼児期の成長発達予後
鈴木 由芽
1
,
小森 咲子
,
相樂 昌志
,
下澤 弘憲
,
俣野 美雪
,
矢田 ゆかり
,
河野 由美
1自治医科大学 小児科学
キーワード:
Down症候群
,
発達障害
,
心臓疾患-先天性
,
成長
,
酸素欠乏
,
前向き研究
,
在宅酸素療法
,
単心室
,
発達検査
Keyword:
Developmental Disabilities
,
Heart Defects, Congenital
,
Growth
,
Univentricular Heart
,
Prospective Studies
,
Down Syndrome
,
Hypoxia
pp.991-995
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020344283
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過去2年4ヵ月間に開心術を行った新生児期から乳幼児期の先天性心疾患合併児22例を対象に、早期幼児期の成長発達予後を検討した。発達評価の中央値は月齢18ヵ月、対象の内訳は単心室群6例、二心室群12例、21トリソミー群4例であった。成長については、単心室群は出生時は在胎期間相当の体格であったが1歳11ヵ月時は小柄であった。発達については、遅滞または境界域は10例(単心室群3例、二心室群3例、21トリソミー群4例)45.4%であった。単心室群の遅滞症例3例中2例は基礎疾患が無脾・多脾症候群で、3例とも低酸素血症が持続し2例でHOTを要した。二心室群の遅滞症例1例は心内修復術後の合併症によってHOTを要した。21トリソミー群は心疾患は二心室群に該当し、健常児を基準とするSDスコアは単心室群や二心室群に比して低値で全例が発達遅滞であったが、21トリソミー児を基準としたSDスコアは遅滞に該当しなかった。以上より、成長発達には心疾患より基礎疾患の影響が強いことが示唆された。
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