研究
入院中の妊婦における良性発作性頭位めまい症の発症要因についての検討
森 美奈子
1
,
田口 弘美
,
中村 祥子
,
牛島 輝美
,
大場 隆
,
片渕 秀隆
1熊本大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター
キーワード:
危険因子
,
産科看護
,
妊娠合併症
,
座位
,
体位変換
,
良性発作性頭位めまい
,
起居動作
Keyword:
Obstetric Nursing
,
Sitting Position
,
Pregnancy Complications
,
Risk Factors
,
Benign Paroxysmal Positional Vertigo
pp.996-999
発行日 2020年6月10日
Published Date 2020/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020344284
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過去3年間に、母体胎児集中治療室(MFICU)入院中に良性発作性頭位めまい症(BPPV)を発症した妊婦を対象に、発症要因について後方視的検討を行った。調査期間中の切迫早産または前期破水によるMFICU入院妊婦は192例で、BPPV発症は4例(29-38歳:平均年齢32.8歳)2.1%であった。対象は入院日数33-51日、安静度はベッド上安静3例、室内安静1例、発症契機は体位変換2例、起立、座位が各1例、初発症状は回転性めまい2例、浮遊感と嘔気、めまい感が各1例であった。回転性めまいの2例は妊娠前にめまいの既往を有し、安静開始からBPPV発症までの期間が短く、耳鼻咽喉科で治療を行ったが症状消失までに10日以上を要した。以上より、入院時に回転性めまいの既往を確かめ、BPPV発症予防として患者には体位変換を緩徐に行うように指導し、頭位を変えるなどの看護ケアの工夫が有効であると考察した。
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