特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
新生児・乳児編 胸部、腹部など 新生児期 MRSAで発疹が出たといわれましたが?
高橋 尚人
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1東京大学医学部附属病院 小児・新生児集中治療部
キーワード:
鑑別診断
,
ブドウ球菌感染症
,
保菌者状態
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
新生児TSS様発疹症
Keyword:
Carrier State
,
Diagnosis, Differential
,
Staphylococcal Infections
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
pp.436-437
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088411
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<回答のポイント>1)原因は黄色ブドウ球菌が産生するtoxic shock syndrome toxin-1(TSST-1)という毒素で、新生児TSS様発疹症(NTED)という病名の疾患である。2)新生児早期にTSST-1を産生するMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が児に定着したことでNTEDを発症したが、MRSAは現在は市中にも多く存在しているため、感染ルートは必ずしもよくわからない。3)NTEDは自然軽快することが多く、MRSAはいずれ自然に消失すると考えられるので、特に心配しないように伝える。
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