特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 妊娠初期 梅毒検査で陽性と出たのですが?
羽間 夕紀子
1
,
下屋 浩一郎
1川崎医科大学 産婦人科学1
キーワード:
Amoxicillin
,
妊娠合併症-感染性
,
梅毒
Keyword:
Pregnancy Complications, Infectious
,
Syphilis
,
Amoxicillin
pp.78-79
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088255
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<回答のポイント>1)梅毒検査には病原菌であるTreponema pallidumと交差抗原性を有する脂質カルジオリピンを抗原とする非特異的検査[serological test for syphilis(STS)法;RPRカードテスト(rapid plasma reagin card test)、凝集法のうち1法]と、T.pallidumそのものを抗原とする特異的検査[Treponema pallidum hemagglutination test(TPHA)法、fluorescent treponemal antibody absorption test(FTA-ABS)法のうち1法]の二つがあり、STSとTPHAを組み合わせてスクリーニングを行う。2)梅毒感染と診断されれば母体治療と胎児感染予防の目的で速やかにアモキシシリン(AMPC)投与を開始する。ペニシリンアレルギーを有する場合には、アセチルスピラマイシンを用いるか、ペニシリンに対する脱感作を行った上でAMPC投与を行う。3)先天梅毒は通常胎盤が完成する妊娠15~16週以降に胎児に感染し、さまざまな臓器に症状を呈する。妊娠中の超音波検査や新生児期の検査を行ってフォローする。4)梅毒感染と診断された場合にはパートナーの検査ならびに治療を行う。
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