特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 妊娠初期 上の子が流行病(風疹、流行性感冒、水痘、伝染性紅斑)にかかっていますが?
田中 圭紀
1
,
下屋 浩一郎
1川崎医科大学 産婦人科学1
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
抗ウイルス剤
,
紅斑-伝染性
,
水痘
,
妊娠合併症-感染性
,
風疹
,
感染症垂直伝播
,
化学予防
,
家族内感染
Keyword:
Chemoprevention
,
Influenza, Human
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Rubella
,
Chickenpox
,
Erythema Infectiosum
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
,
Antiviral Agents
pp.72-74
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088253
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<回答のポイント>1)上の子が風疹に罹患した場合は妊娠初期の風疹抗体の有無を確認する必要がある。風疹抗体を有する場合(HI抗体価32倍以上あるいは風疹IgG抗体陽性)には風疹感染の心配をする必要はない。風疹抗体を有さない場合には、妊娠20週未満であれば風疹抗体価の推移や症状発現を観察して風疹感染の有無を検索する。2)上の子が流行性感冒(インフルエンザ)に罹患した場合、妊婦のインフルエンザは重症化しやすく流早産をきたしやすいので、オセルタミビルやザナミビルの予防投与を考慮する。3)上の子が水痘に罹患した場合には、妊婦の水痘抗体の有無を確認し、水痘に対する免疫をもたない妊婦には早期のガンマグロブリン投与が選択肢となり得る。4)上の子がパルボウイルスB19感染症[伝染性紅斑(リンゴ病)]に感染した場合には早い時期にパルボウイルスB19 IgMおよびIgGを測定し、妊娠中のパルボウイルスB19感染の可能性が高い場合には胎児貧血に伴う所見や胎児水腫の有無を胎児超音波検査および、超音波ドプラ法を用いてフォローする。
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