発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009143438
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小児科診療、とくに外来診療において、感染症はかなりの部分を占める。外来で遭遇する小児の感染症のほとんどはウイルス感染症である。原因ウイルスが特定されないことも多いが、一部に特徴的な皮疹と臨床経過を示すウイルス性発疹症が存在する。小児のウイルス性発疹症の多くは予後良好で自然軽快するので、必ずしも専門医への紹介は必要ない。一方で、まれではあるが重篤な合併症を引き起こすこともあり、代表的な合併症とその対応については把握しておく必要がある。まれにみられる重篤な合併症への適切な対応や、感染拡大防止の点からも正確な診断は重要である。麻疹・風疹・水痘などワクチンで予防可能な疾患は、できる限り予防するべきである。発疹を伴う小児の疾患はウイルス疾患以外にも溶連菌感染症、川崎病、薬疹、紫斑病などさまざまであるが、ここでは代表的なウイルス性発疹症を選んで解説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009